イカとクジラ [┣映画(ミニシアター)]
製作年 : 2005年 アメリカ
配給 : ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開日: 2006年12月2日
スノッブな両親が突然の離婚。子供たちの心配は「猫はどうするの?」
予告編をみて、鼻にカシューナッツを入れてしまうお茶目な少年(実は、フィビーケイツの息子だったらしい。)がいいなと思い、見に行かなければと思った作品。
今年、134本目。本年度のアカデミー賞ノミネート作品でありつつ、笑いがあるちょっと変わった作品でした。
ニューヨークのインテリ層たちが住む高級住宅地での壊れていく悲しくもおかしい(ちょっと変わっていて面白い)家庭の物語。日本にもあると思われるが仮面夫婦、仮面家族の物語を鋭い洞察力で描いていますねぇ。
両親の関係はありがちな仮面夫婦だが、奥さんが仕事ができて、遊び好き、だんなが仕事がない作家であり、耐えるという駄目夫パターン。息子たちもお互いに好きだと思っている側の親には似ていなくて、あまり好きではない方の親に似ているところのギャップが面白い。しかもその事実にはじめは気がついていないのだが、要所要所で気がつき始める。ただ信じたくないという気持ちの演技もらしくていい。
また、気がついていないのかもしれないが、両親の離婚問題が息子たちに実は大きな影響を与えていたことに両親はまったく気がついていないところも作家夫婦の浮世離れ?した生活ならではなのだろうか。息子たち自身も影響を与えられていると思ってないところもありえる話。
いかにもありそうで、今までの映画ではあまり描いていなかったからこそ面白い映画であり、そのシニカルさが受けているのではないだろうか。
ちなみに本編の中で出てくるちょっとしたるキーワードだけでもぞくぞくします。ディケンズ、カフカ、にフィッツジェラルド。映画好きであり、本好きにはたまらないキーワードでありますね。やはり見にきている客層もちょっと高めです。インテリ層か、読書好きって感じがします。年配の人も多かったですし。映画はショートサーキットなんて出てきますしね。1980年代の流行がうかがえます。
また、この物語はこの後どうなったのかがやはり気になる映画ではありますね。息子たちの成長も気になるところですし、恋愛もするでしょうし、両親の物語はあまりかわらないでしょうから、息子たちメインでできないものかなぁ。
★★★★☆ 星4つです。
あらすじ:ブルックリン、パークスロープに住むバークマン家。父は元売れっ子作家だが、今は大学講師、母は「ニューヨーカー」誌でのデビューを控えた有望な新人作家だ。文学を奨める父親の期待を尻目に、12歳のフランクはテニスに、16歳のウォルトは、ロックに夢中だった。ある日、両親の離婚が告げられた。突然のできごとに戸惑う子供たちはそれぞれの形で反抗を始めた。フランクは、性への好奇心から学校で奇行を繰り返す。ウォルトは、コンクールで優勝した自作の曲が、ピンクフロイドの盗作であることがばれてしまう。
監督・脚本 : ノア・ボーンバッハ
出演 : ジェフ・ダニエルズ 、 ローラ・リニー 、 ジェフ・アイゼンバーグ 、 オーウェン・クライン 、 ウィリアム・ボールドウィン 、 アンナ・パキン
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