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麦の穂をゆらす風 [┣映画(ミニシアター)]

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: DVD

製作年 : 2006年 イギリス=アイルランド=フランス
配給 : シネカノン
公開日: 2006年11月18日
名匠ケン・ローチが描くアイルランド

虎の門で井筒監督が大絶賛していた映画が地元の劇場でもレイトショーのみでの上映をするようなので見てきました。今年137本目。

今年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品はどんな感じなんでしょうか。

内容は1900年代前半にイギリスから独立しようとしたアイルランド国内でのお話。実際にあった話だし、独立戦争は従軍していた人たちだけで行われていたわけではなく、市井の人々も巻き込んで進んでいることがよくわかる。

映画というとどうしても戦争シーンばかりが取り上げられてしまいがちだが、たぶん実際に行われていたであろう戦時下での市民の様子や、裏切り、裏切られることが起こるかつての友が信じられなくなる状態、また行き過ぎた暴行などが細かく描かれているところも興味深い。

対イギリスで固まっていた勢力が、和平の方法の考え方の違いからかつての同胞が敵となり、戦わざるを得なくなる状況は苦しいかぎり。それが兄弟ともなればなおさらだ。同じ民族でありながら否応なく戦うことになるとはなんと人間はおろかなのか。

戦争が歴史スペクタクルではないことがわかるよい映画だったと思います。井筒監督が絶賛した理由がわかったような気がします。これこそ映画。

★★★★★ 星5つです。


あらすじ:1920年のアイルランド南部の町・コーク。医者を志す青年デミアンはロンドンでの勤務がきまり、アイルランドを離れようとしていた。そんな時、仲間がイギリスから送り込まれていた武装警察ブラック・アンド・タンズの暴行を受け、命を落としてしまう。事件をきっかけに医師になる志を捨てたデミアンは、やがてアイルランド独立を目指す戦いに、仲間とともに身を投じていく。そんな彼らのゲリラ戦に苦しめられたイギリスは停戦を申し入れ、戦いは終結するのだが、両国間に結ばれた講和条約の内容の是非をめぐって、アイルランドは内戦に突入してゆくのだった。

監督 : ケン・ローチ
出演 : キリアン・マーフィ 、 ポーリック・デラニー 、 リーアム・カニンガム 、 オーラ・フィッツジェラルド



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コメント 2

クリス

こんばんは。
奥深い映画でしたね。あれだけさらけだして描けたのも、ケン・ローチならではかなと思いました。時代背景がもっと解りやすいと、日本人にももっと観てもらえると思うんですが・・・。トラバさせて頂きますね。
by クリス (2007-01-21 21:20) 

まろがぁ

>蟻銀さん
コメントありがとうございます。
イギリスとスコットランドのお話はいろいろ見てきたのですが、アイルランドとのってあんまり見たことがなかったので衝撃的でした。
しかも描いているのがイギリス人監督のケンローチですから。
これこそ映画で見たい作品です。
by まろがぁ (2007-01-22 00:01) 

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