奥田英朗 サウスバウンド 上・下 [●本(小説)]
奥田氏のストーリーテリングの技に感心する作品でした。
今回のは小学生と変わった家族の物語。変わっているというかちょっと昔ってこんなおじさんやおばさんっていたよな。いまだと社会適応性が欠如していて嫌煙されてしまうことは否めないが、当時は憎めない変わったおじさんといった感じで周りの人からもちょっとは受け入れられていたような。
そんな変わった人が家族にいる子供からの目線の物語。破天荒な親にして、ちょっとさめていてでもべスは子供といった少年から青年の心をもった難しい機微をうまく描いてるなぁ。子供の気持ちを中心に書いてしまうと宗田理氏のように大人にはちょっと読めないなというかんじがあるのだが、大人がよんでも楽しめるし、子供が読んでも楽しめる内容になっています。過激派が出てくる少年小説はないですよね。やっぱり。
東京から西表に移っていくところで読み手の気持ちも切り替わるのかしらん・・・
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