新堂冬樹 銀行籠城 [●本(小説)]
新堂冬樹作品の文庫化。これはその題名の通り、銀行籠城もの。
最近、事件でもほとんどないが、小さい頃はいくつかあったような記憶がある。その時の様子はあまり覚えていないのだが、この作品はいかにもその立場にいた人が書いたのではないかと思わせるぐらいにリアルだ。前半は事件描写がほとんどだが、後半は事件というよりも親子の問題と全くテーマが変わる。
いつの間にか変わっているので気がついたら初めのグロさはほとんど見られない。黒新堂から白新堂作品への移行という意味では面白い作品である。
ただ、あまりに前半と後半のテイストが違いすぎるし、初めの事件が導入だとすると長すぎる感じが否めない。もっと事件に至る経緯とか、殺されてしまった行員同士の人間関係もあるともっと面白い作品なのかもしれない。
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