西川美和 ゆれる [┣本(映画原作・ノベライズ・映画関連)]
映画を見て兄弟の心理状態と落ちてしまった智恵子の気持ちを読んでみたかったので買ってみました。
映画では描かれていなかった弟の心の中や、智恵子自身の兄勇への思いなどが簡潔に描かれているので映画とあわせてみるととてもわかりやすいです。
学生時代に付き合っていた智恵子と猛の関係は智恵子の語りからわかります。
また、蟹江敬三演じるおじさんの気持ちもよくわかるので小説は読んでおいたほうがいいですね。
原作と映画のシナリオが大きく違うものではなく、そのままなので理解度が深まります。
途中の心理状況を理解するのは本来の目的ではなく、最後に兄勇が出所した後に弟とのわだかまりがどうなったのか、兄の気持ちや、声を掛けた弟の気持ちが少しでも表現されていればよいかなと思ったのですが、その部分には触れられていませんでした。
次回作があるとは思えないけれども、何かあってもおかしくない終わり方なので少し期待はしていたりします。
ちなみに、映画を見なくても小説だけ読んでも面白いと思います。
★★★★☆ 星4つです。
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